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読書会に著者を呼ぶ

昨年12月に店を始め、年が明けてから読書会を始めた。
10月までに、1~1.5ヶ月に一度のペースで7回開催した。
そして去る11/9(土)、8回目の読書会を行った。
課題本は小山田浩子さんのエッセイ『小さい午餐』。
小山田浩子さんは広島在住の小説家で、芥川賞も受賞し、翻訳された著書は海外からも高い評価を得ている。
基本的に在宅で仕事をする小山田さんが、家の近所や出先で食べたお昼ご飯について書いたエッセイ集。
新刊が刊行されるこのタイミングで、本書を課題本とした読書会をしたいと思った。
しなければいけないと思った。
小山田さんはLounge B booksがオープンしてまだ数週間のうちに、来店してくださった。
それからも度々来店してくれたり、本に関するイベントなどでお会いする機会が増えた。
そのたびに読書会をやりたいという思いは伝えつつ、その機を伺っていた。
新刊でエッセイ、題材はお昼ご飯。
なかにはお好み焼きを書いた章もある。
ひとつの筋が見えた。
著者の小山田さんを招いて読書会をしよう。
ついでにお好み焼きも食べよう。
午餐的読書会だ。
プロモーションで海外滞在中の小山田さんに依頼したところ、快諾していただけた。
トリノの風を感じた。

当日参加してくれたのは6名。
私と小山田さんを含めて8名での開催となった。
小山田さん自身、読書会へ参加するのは初めてということだった。
参加者の方も初めての読書会という方が多かった。
そしてその参加者のほとんどが近所に住む方たちだった。
小山田さんの熱心な読者の集まりになるのではないかと予想していたので、これは意外だった。
近所の本屋で読書会をやるらしい。
著者しかも芥川賞を受賞するような小説家も来るらしい。
ちょっと参加してみようかしら。
そのような感じで参加してくれたようだ。
少しローカルに根付いたような気がしてうれしい。

お好み焼きを食べながらの読書会はとてもいい時間になった。
本の感想にとどまらず、話題は地域色の強いものへ及んだりあっちゃこっちゃいったりとしていたけれど、こんなスタイルもいいなと感じた。
小山田さんは執筆の裏側も惜しみなく披露してくださったし、広島弁が聞けたのも良かった。
参加者のかたも満足してくれたようで安心した。
小山田さんも読者から直接感想を聞く機会はそんなにないので励まされたと仰っていた。
小山田さんにとってもいい時間になっていたのであればうれしく思う。

著者参加型の読書会は、参加者も著者も互いに気を遣い合うような雰囲気にもなりかねないが、今回は課題本がエッセイだったこともあってか、親しみを感じ合えるような会になったのではないかと思っている。
同じ釜の飯ではないけれど、同じお好み焼きを食べた仲としてとても良いものを得たと個人的には感じている。
参加者のみなさま、小山田さん、ありがとうございました。






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