ひろしまブックフェス5日目、レジの後方で折りたたみ式のイスに座って書いている。
会場で購入した『ニーチェ・セレクション』(平凡社)を読んでいたのだけれど、少し疲れてきたのでスケッチすることにした。
雲の多い穏やかな晴天。
風だけは激しい。
会場のひろしまゲートパークはどうやら風の通り道になっているらしく、ビル風のような風がときどきびゅんびゅん吹き抜ける。
会場のいちばん奥に設けられた会計コーナーからは会場全体がなんとなく見渡せる。
目の前にはこのイベントを運営する㈱本分社スタッフの女性がふたり、コの字に組まれたカウンターの中でレジ業務にあたっていて、ときおり談笑しながら、忙しなく動いている。
その奥には、平日にも関わらず途切れることなく来場されるお客さんが、思い思いに本を選んでいる様子が見える。
外国からの訪日客も多い。
それもそのはずで、会場となっているひろしまゲートパークの道路をはさんだ向かいには原爆ドームがあるし、今、私が座っているところからは正面におりづるタワーも見える。
おりづるタワーは壁面の一部がガラス張りの空間になっていて、訪れた人が上から折鶴を落とすことができ、空間が折鶴で徐々に埋められていく仕様になっている。
正確には視認できないが、今、その折り鶴は6階か7階くらいの高さまで積み上がっている。
折鶴の高さを測っていると、前方から㈱本分社の代表Z氏が近づいてきて、手を貸してほしいと言われる。
強風対策で「立ち呑みブックス」コーナーのテントを下げるようだ。