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【日記】2025.11.28(金)

店の近くの町中華で昼食を摂った。
豚焼肉定食を注文し、待っている間に福尾匠さんの日記を読む。
最近はなにかの待ち時間があれば、福尾匠さんの日記を最初から順番に読んでいる。
2021年の1月に始まった日記は今も続いていて、リアルタイムに追いつこうと少しずつせっせこ読んで、2022年の1月まで来た。

後から入ってきた女性のお客さんが私と同じ豚焼肉定食を注文し、ごはんは半分でいいと告げた。
それにつられたように、私のひとつ空けて隣で待っていたおじさんも「俺のも半分にして」とオーダーした。
じゃあそのぶんを僕のごはんに追加してくれと言いたい衝動に駆られたが、その勇気はなかった。

福尾匠さんは2022年1月にカキフライを作って食べていた。

村上春樹が『雑文集』で、学生からの相談に解答している文章がある。
その学生は就職活動の試験で、自分について原稿用紙4枚で書きなさいという課題にうまく対応できなかったと言い、村上さんならどうすると問う。
春樹は学生に、たったの4枚で自分自身を説明するなんて不可能だと共感を示しつつ、だったらこうしてみてはどうかと提案していた。
例えばカキフライについて書いてみればいいんじゃないかと。
曰く、自分について書くことが難しくてもカキフライについて書くことはできる。
書かれた文章のなかに生じる距離感や視点により、自分を表現できるんじゃないかなと。
書く対象はカキフライじゃなくてもなんでもいいんだけどと言いながらも、自らお手本を実践するように、春樹はカキフライについての文章を綴っている。

福尾匠さんは、その日、牡蠣を洗う最中にむなしくなってきつつも淡々と調理し、カキフライを食べていた。

出てくるぶんには嬉しいが、作って食べるのには悲しい料理だ。

https://tfukuo.com/2022/01/page/2/

福尾さんの文章は、日記にも哲学にもときどきこのような叙情が含まれていて、それがとても良い。

豚焼肉定食を食べ終え店に戻り、届いていた荷物を確認すると福尾匠さんの新刊『置き配的』が入っていた。





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